新南陽市(現:周南市)と邪馬台国女王卑弥呼


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女王卑弥呼とは、そしてその鏡とは

 景初3年(239)女王卑弥呼は大夫難升米らを遣わし、魏に入貢した。明帝は卑弥呼に金印紫綬を授け、 さらに銅鏡100枚(面)を下賜品として与えたという。
 この「卑弥呼の鏡」が現在三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)呼ばれているものである。

 卑弥呼がもらったとされる銅鏡100枚の内、最古級の鏡は全国で現在まで54面発掘されている。 この卑弥呼の遣使が持ち帰ったであろう正始元年(BC240)の鏡が、新南陽市の竹島御家老屋敷古墳から発掘された。

 卑弥呼は正始4年冬12月「倭王卑弥呼、使を遣して奉献す」と「魏志」三少帝紀にありこの時の下賜品であろう。

 ちなみに正始元年銘の三角縁神獣鏡の発掘されている場所は、新南陽市竹島古墳、兵庫県森尾古墳、 群馬県柴崎古墳のたった3枚(面)だけである。点と線、竹島に割拠したであろう首長はいったい誰で、 卑弥呼とどんな関係にあったのであろうか。夢とロマンはひろがる。

−閑話休題−
 当時の倭人はなぜ鏡を欲しがり権威の象徴としたのか。学者の吉野裕子氏は次のように推理している。  土着縄文人の間に強い蛇信仰があり、彼らと交雑した倭人がそれを引き継いだという。縄文人は蛇を非常に神聖視 していた。この流れは現在の日本人にも連綿と受け継がれている。蛇は成長過程で脱皮するが、この脱皮に命の蘇りを 感じたという。次に蛇の交尾は延々と続きこれに畏敬を感じたともいう。彼らはその蛇の交合の様を縄文土器に刻み こんだという。やがて弥生時代に入ると蛇は豊穣を約束する神となった。蛇を当時は「カカ」または「ハハ」 と発音したという。蛇の目は瞼がなくその輝く様を「鏡」に見立てた。そして神社の注連縄は蛇の交合している姿を 具象化したものである。以下長くなるので詳しくは同氏の著書「蛇」を参照されたい。


銅 鏡 写 真

三角縁神獣鏡
景初三年銘の銅鏡(BC239)
(島根県加茂町神原神社遺跡 22.8Cm)

三角縁神獣鏡
正始元年銘の銅鏡(BC240)
(新南陽市竹島家老屋敷遺跡 22.6Cm)

魏の紀年鏡を整理すると次のようになる。 新南陽出土の鏡は歴史的にも貴重品である。
魏年号 鏡名 西暦 Cm 古墳名称 出土地 備考
青龍三年銘方格規矩四神鏡BC23517.4大田五号墳京都府峰山・弥栄町1994出土
青龍三年銘方格規矩四神鏡BC23517.4安満宮古墳大阪府高槻市1997年出土
景初三年銘平縁神獣鏡BC23923.1和泉黄金古墳大阪府和泉市1951年出土
景初三年銘三角縁神獣鏡BC23923.0神原神社古墳島根県加茂町1972年出土
景初四年銘斜縁盤竜鏡BC24017.0広峯一五墳京都府福知山市1986年出土
景初四年銘斜縁盤竜鏡BC24017.0伝持田古墳群宮崎県西都市1986年公表
正始元年銘三角縁神獣鏡BC24022.7森尾古墳兵庫県豊岡市1917年出土
正始元年銘三角縁神獣鏡BC24022.6柴崎蟹沢古墳群馬県高崎市1909年出土
正始元年 銘三角縁神獣鏡 BC240 22.6 竹島御家老屋敷古墳 山口県新南陽市 1980年解読

新南陽市の魏鏡について

 冒頭にもふれたように、魏志倭人伝の中に正始元年に卑弥呼の使節団が入貢し、 鏡を下賜したことが記されている。
 上の表の中で、常に問題になるのが、景初四年の年紀である。 歴史上この年紀は存在せず、中国の考古学者の中には鏡は魏鏡ではないと言い切る人もいる。
 現在この鏡は、同市在住のA氏が先祖の伝来品として所持しておられるが、 出土地はB氏所有のものであり長年返還の係争が続いているという。
 歴史的にも貴重品でありしかるべきところに寄託され民族の歴史の産物として 永久保存の道が開かれることを熱望する。


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